カテゴリー
遺言等

相続される財産の範囲は?(その2)

相続が開始すると、被相続人の財産に属した一切の財産の権利義務は、原則すべて相続人が承継します。前回の記事では、相続財産に属さない財産・権利の一例として、「被相続人の一身に専属したもの」を上げましたが、他にも次のようなものが挙げられます。

■死亡退職金

 死亡退職金は、公務員や民間企業の従業員が死亡した際、勤務先から支払われる退職金の事です。この死亡退職金は法律や就業規則等で、受給権者の範囲や順位が決められています。その為、死亡退職金は相続財産には属さず、受給権者固有の権利となります。

■遺族年金

 遺族年金も、死亡退職金と性質は同じで、受給権者固有の権利です。残された遺族の生活を保護する為のお金ですから、当然相続財産には属しません。

■生命保険

 では生命保険はどうでしょうか。受取人が「被保険者」(貯蓄型生命保険)であれば、相続財産にあたります。一方、受取人が、「相続人中の誰か」である場合は、相続財産にあたりません。また、受取人を「相続人」としている場合も、保険契約に基づく相続人固有の財産とみなされます。

■祭祀財産

 聞きなれない言葉ですが、系譜や祭具、墳墓など、先祖の祭祀のための財産の事です。

上記のような例外として相続されない財産や権利以外は、原則として全て相続人に承継される事を覚えておきましょう。

Follow me!